2013年8月1日木曜日

Bren Ten

1983年から1986年のわずか3年間だけ、市場に出ていた、隠れた銃の名品です。
ブレン・テンは、1983年にアメリカのドーナウス&ディクソン社によって開発・販売された自動拳銃です。
ブレン・テンの「テン」は10mmの口径を指していると言われて下ります。
1980年代初期にアメリカの都市圏では強力な拳銃を所持した犯罪者が増加し、
警察官が主に使用していた.38スペシャル弾や380ACPでは威力不足であると考えられていました。
然し、コルト・ガバメントに代表される.45口径の拳銃はどれも大きく重く、
警官の携行銃としては不向きだったらしいですので、一部で人気のあったマグナム弾使用銃は殺傷能力が高すぎて、公的機関用としては使用が難しかったので。今ではスタンダートとなっている9mmパラベラムは、
この頃、威力不足という噂や偏見によって使うことを嫌われていたと言われて下ります。
そのため十分な威力を持ちつつ警察官携行用にも適した製品の一つとして10mmオートという弾丸が考えられはじめました。これは9mmパラベラムよりも強力で.45ACPよりも小さく(.45は約11.43mm)
.357マグナムに匹敵するマンストッピングパワーを持つとされた弾丸であります。
銃本体は、当時コンバット・シューティング(実戦的射撃術)の第一人者であったジェフ・クーパーが開発に参加し、チェコスロバキアの傑作自動拳銃Cz75をベースに作られて下ります。
これだけ理想的なスペックを詰め込み、FBIが10mmオート弾を制式採用したにもかかわらず、
市場では、全く、売れない銃でした。売れなかった理由としては、マガジンケースの生産が販売に間に合わなかったことが一つの要因とされているが、理想的なスペックを追い求めた結果これといって特徴がなく魅力の乏しい銃になってしまったせいではないかという指摘もあります。
10mmオート弾ということもあって、9mmパラベラム弾のCz75より初速は速く、
銃としての性能そのものは優れていたのも事実です。


口径 10mm 銃身長 127mm 使用弾薬 10mmオート
装弾数 11発 作動方式 ショートリコイル
全長 222mm 重量 1070 g 銃口初速 410m/s

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