2013年3月4日月曜日

WRC 世界ラリー選手権

いよいよ始まりましたね。2013年WRCのシーズンが、全13戦のレースで今年も凄いバトルが見れますね。先ず、世界ラリー選手権 (World Rally Championship) は、世界各国で行われるラリーの世界選手権であります。
1973年、それまで世界各地で単独に開催されていたラリーを組織化して、
世界選手権として再スタート致しました。

一般発売してる車をベースに改造した競技用車両を用い、
一般公道を閉鎖してつくられたコース、一般公道におけるリエゾン区間を走り、合計タイムを競うレースです。

レース車両にはドライバーとナビゲーターの2名が乗車し、
ドライバーはナビゲーターが読み上げるペースノート(道路のカーブ状況などを記載したノート)に従い運転操作を行うのです。競技は通常金曜日から日曜日までの3日間で行われ、初日をDAY 1、2日目をDAY 2、最終日をDAY 3と呼ぶのです。

2007年シーズンまでは「DAY」という表現を用いず「LEG」と表記していた。
また、その週の水曜日からレッキと呼ばれる「下見走行」を行います。

コースは実際に競技で使われるコースを走れるが、使用する車は競技車両ではなく、一般車両を使用する。このレッキでドライバとナビゲーターはコース状況を把握し、ペースノートの製作を行う。

水曜日の夕方から翌日木曜日にかけてはシェイクダウンと呼ばれる車両の最終チェックを行う。
この時はシェイクダウン専用のコースを使い、実際に競技車両を使っての最終チェックを行う。
その後車検を受け、規定外のパーツの装着がないか確認が取れると、

競技車両はパルクフェルメと呼ばれる車両保管所に置かれる。
パルクフェルメに保管された車両はドライバーを含め全ての関係者は競技開始まで触れることが出来ない。

1つのDAYをさらに細かく分けるとSS(スペシャルステージ)とTC(タイムコントロール)、そしてロードセクション(もしくはリエゾン)に分けられ、SS区間でのタイム合計が一番速かったドライバーが勝者となる。競技はアイテナリーと呼ばれるタイムスケジュール表に沿って進められ、スタート間隔は2分置きである。

このためサーキットレースとは異なり、トラブルで減速・停車した場合を除きコース上での抜きつ抜かれつはほぼ生じない。

スタートした車両はまずロードセクションを通りTCへ向かう。
ロードセクションは閉鎖されていない一般公道なので、現地の交通法規に則り一般車両に混じって走行する。ロードセクションを走行することも競技の一部であり、主催者から示されるコマ図に従って走行するという、ラリー競技当初の姿が現在も残っている。
TCに入る時間は各々指定される。交通渋滞などで遅くなった、もしくは早く着いてしまったなどのロードセクションで生じた誤差を正すのが目的で、遅くても早くてもペナルティ(タイム加算)が発生します。

優勝を争うような選手でもコマ図を読み違え、道に迷いガス欠で棄権するということが起こる。
スピード違反や一時停止義務違反で現地の警察に検挙されることもあり、免許停止などの処分を受けた場合はドライバーが車を運転できなくなってしまい、代わりにナビゲーターがハンドルを握ることもあるんですね。

また各国の法律(日本の場合は道路運送車両法)に定められた保安基準を満たしていない場合は公道走行を止められることがあり、特にSS区間でのトラブルで車が破損した場合などに問題となります。

SSのスタート地点はTC内に設置されている。
一般公道を閉鎖して作られたタイムトライアル区間で、
メディア中継が行われるのもこの区間であることが多い。
この区間内は速ければ速いほどよく、
各ドライバーは持てる力の全てを出し切って挑む。

1つのSSの距離はSSによりばらつきがあるが(短いSSだと2km前後、長いと40kmを越えるSSも存在する)SS数は各イベントでおよそ20前後で、イベント毎のSS区間の合計距離は400km程度となる。

ただしロードセクションなどの距離はこれ以上あるため、全ての競技の総走行距離はこの限りではないです。

一般公道を閉鎖して使用するSSとは異なり、人工的に作られたサーキットコースのような特設会場で行われるスーパースペシャルステージ(スーパーSS、SSS)も存在する。

通常のSSでは一般公道での競技ゆえに観客は競技車両が走り去る一瞬しか観戦することができないが、
スーパーSSでは観客席を設けて同じコースを2台の競技車両が同時にスタートしタイム
を争う様子を観戦することができる。

2台が走るコースは間を仕切られているため交わることが無く、厳密には同じコースではないがタイム差はほとんど発生しません。

各DAYの最後のSSが終わったらまたTCに入り、ロードセクションを通り、
サービスパークと呼ばれる本部に戻る。
サービスパークでは競技中の整備や給油などが許されるが、
作業の制限時間がある。制限時間をオーバーしたときや、SSを欠場してマシンの修復を行う場合(スーパーラリー制度の適用)もペナルティとしてタイムが加算される。その後車両は再びパルクフェルメに保管され、次のDAYの競技開始を待つ。

またリモートサービスというサービスパーク以外での簡単な整備ができる場所を設けたイベントもある。ちなみに以前はサービスパークという制度は存在せず、
競技中はほぼいつでもどこでも整備が可能であります。


競技開催地ごとに使用される道路の環境は千差万別であり、ターマック(舗装路)・グラベル(未舗装路)・スノー(積雪路)・アイス(凍結路)など、ヨーロッパを中心としたあらゆる路面状況で競技が行われる。それぞれの環境や路面にあった仕様にマシンが改造される点も見所の1つである。
例えばターマックでは地上高を低くし、ホイールも大径に、タイヤもスリックに近い状態になる(1995年まではスリックタイヤの使用は認められていた。)。対してグラベルでは、地上高を高くし、
ホイールは小径、タイヤも厚く、ゴツゴツとしたラジアルタイヤ(少しのパンクに対応出来るよう2007年まではムースと呼ばれる発泡剤をタイヤの中にいれていた。)を装着するといった点が見受けられる。また、雪、アイスバーンではスタッドを使用したタイヤ(スパイクタイヤ)を使用している。また夜間に行われるラリーでは補助灯を装着する他、アフリカのケニアで行われていたサファリラリーでは過酷な環境下に適応できる特殊な装備を施した車両で競技を行っていた。

また2008年からはムース仕様のタイヤは禁止されるなどルール改定での変化も多いのが特徴ですね。

それで、2013年シーズンのレース予定は以下の様になって下ります。
1. Monte-Carlo --- Jan.20(最終日の日付、以下同様)
2. Sweden --- Feb.10
3. Mexico --- Mar.10
4. Portugal --- Apr.14
5. Argentine --- May.5
6. Acropolis (Greece) --- June.2
7. d'Italia (Italy) --- June.23
8. Finland --- Aug.4
9. Deutchland (Germany) --- Aug.25
10. Australia --- Sep.15
11. France --- Oct.6
12. Espana (Spain) --- Oct.27
13. Great Britain --- Nov.17
数年前までローテーションと称して開催国をいじくっていたFIAは結局ヨーロッパ人が考えるクラッシックラリーの主催国に再びご先祖がえりした感じです。東欧、アジア、中東などを回遊した時代と比較すると様変わりです。昨年のニュージーランドはオーストラリアと入れ替えになりました。
この2国は今後も隔年開催の可能性があります。

今年の展望ですが、ご承知のロウブ9年間連続チャンピオンの時代がようやく終焉を迎え新しい時代に入ることになりました。ロウブは今シーズン4戦程度にスポット参戦を表明しています。
その4戦とは初戦のビッグイベントであるモンテカルロ、ロウブの出身地付近の開催地ラリー・ド・フランス、雪上の能力を試したいスエーデン、それにグラベルの中から一つ、多分シトロエンの重要市場であるアルゼンチンあたりかと考えられています。
4戦のみでは世界チャンピオンになれませんから今年は久しぶりにロウブ以外のドライバーチャンピオンが誕生することになります。では誰が?ということになります。
ドライバーの移籍、フォルクスワーゲン新規加入等大きな話題の中で長らくロウブの圧勝の陰で押さえつけられてきたヒルボネン(シトロエン)、ソルド(ミニからシトロエン)、VWに移籍したラトバラとオジェ、それに加えて伸長著しいオストベルグ(2012シーズン4位)やノビコフ、ヌービル等のフォード勢の若手が活躍しそうです。

モンテカルロラリーは今年81回目の開催となるビッグイベントです。スケールの大きさで知られ、古くはヨーロッパや北アフリカの都市からスタートし約3000キロ走ってモナコに集結し、そこからSSが始まる形式をとった時代があります。
私の現役時代にはフランスのシャンパンの生産地ランス、ドイツのフランクフルト郊外のバッド・ホンブルグ、スペインのバルセロナからのスタートに立ち会ったことがあります。時代と共にスケールが縮小された現在はこの方式はなくなっていますがそれでもイベントのサイズの大きさは今のWRCの中では随一です。

スケールの大きさが災いしてFIAモーズレー会長の時代の“標準化”が強要されそれを嫌って一時期WRCから外れ、別シリーズのIRCで活動していました。

3年間の空白ののち昨年WRCに復帰し、このところ開催規則の“自由化”を利用して競技機関4日で構成する大きなスケールのイベントになりました。最初の2日間はValenceの山岳地、3日目からモナコに戻り、最終日(土曜日)は上位60台に絞って午後スタート。
ナイトステージを含め名所であるチュルニ峠(Col de Turini)を3回通過します。
このコースはマウンテン・サーキットなどと呼ばれていた時代がありました。

今回のモンテはSS総距離が468キロと1995年以降もっとも長いラリーとなります。
このところの暖冬現象で路面の予想はもっとも難しいところですが、
通常はドライ、スノー、アイス何でもある時期と場所柄です。

SS一本の距離が長いので同じSSの中で状況が激変する可能性があり、どの路面に焦点を合わせるかがタイア選択の決め手になります。


WRC 世界ラリー選手権誰が栄光の年間優勝を勝ち取るのか非常に楽しみですね。
新しい時代に突入した、WRC2013期待して観ましょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿